これまでのPictMasterを含むPictMasterOAでは、バグ修正や機能追加などでバージョンアップした場合、それまでの旧バージョンを新バージョンにアップデートすることは困難でした。まだモデルが記入されていない場合はファイルを入れ替えるだけで済みますが、パラメータや制約などが記入された後でのバージョンアップはワークシート記入内容のコピー&ペーストが必要となり、煩雑な作業が必要でした。
v1.1のPictMasterOAからはこうした煩雑な作業が不要となり、ワンタッチでバージョンアップが行える自動更新機能が備わっています。今回はこの自動更新機能の使い方を説明します。
自動更新機能では、PictMasterOAがオープンされると現在のバージョンと最新版のバージョンの比較が行われ、不一致の場合、現バージョンの標準モジュールとフォームが新バージョンの内容で置き換えられます。
バージョンの識別はファイルの右クリックでプロパティを表示させて詳細タブのバージョン番号で表示される内容に対して行われます。今回の説明では次に示す2つのバージョンのPictMasterOAを用いることにします。
現バージョンのバージョン番号
新バージョンのバージョン番号
自動更新機能を有効にさせるためには設定が必要です。現バージョンのExcelで開発」メニューから次の設定を行なっておく必要があります。この設定が行われていないとVBAのエラーになります。
「開発」メニュー → マクロのセキュリティ → マクロの設定 → 「VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する」にチェックを入れる
「開発」メニューを表示させる操作はExcelのバージョンによって異なり次の通りです。
Excel2007
(1) 左上の「Officeボタン」をクリック
(2) メニューから「Excelのオプション」を選択
(3) 「基本設定」項目で[開発]タブをリボンに表示するにチェックを入れる
Excel2010以降
(1) 「ファイル」タブから「オプション」を選択
(2) 「リボンのユーザ設定」で右の「開発」にチェックを入れる
新バージョン側のPictMasterOAをサーバ上またはネットワークドライブ上の任意の場所に置きます。自動更新を行なわせたい現バージョン側のPictMasterOAで環境設定の「参照ファイル」欄に次の例のように新バージョンの置いてある場所をファイル名も含めてあらかじめ設定しておきます。
![]()
この状態で現バージョン側のPictMasterOAをオープンすると、新バージョンとのバージョン番号の比較が行われ、不一致の場合に次に示すようにアップデートを行なうかどうか問い合わせるフォームが表示されます。
![]()
ここで「はい」を選択すると自動更新が行われ、2秒ほど経過した後で次に示すアップデートが完了した旨のメッセージが表示されます。
![]()
自動更新機能で更新されるのは標準モジュールとフォームです。ワークシートやワークブックに記述されたコードは自動更新の対象外です。バージョンの比較は同じか異なるかを判定しているだけで、どちらが新しいかまでは判定していません。
現バージョンが参照する場所には常に最新版が置かれている必要があります。万が一、間違って古いバージョンに更新が行われてしまってもあわてる必要はありません。現バージョンが参照する場所に最新バージョンを置いて、再度自動更新を行えばOKです。
何らかの理由で長期的に自動更新を行ないたくない場合は、「確認しない」のチェックボックスにチェックを入れることで、ファイルオープン時の更新問い合わせをスキップさせることができます。Excelのセキュリティの設定を変更することに不安を覚える場合は、「確認しない」のチェックボックスにチェックを入れてセキュリティ設定を初期値に戻し、バージョンアップが必要になった時だけ、設定を変えればよいでしょう。