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効率のよい線点図の解体 原因子と交互作用因子をもとに5つの8水準線点図を4水準10個に解体する

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直交表をテストに使いたいと思っている人の多くは、「線点図の解体」という言葉を知っていることでしょう。例えば、次の図に示すように1つの8水準線点図は1つの4水準と4つの2水準に解体することができます。

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この解体のしかたでは、例えば5つの8水準線点図は5つの4水準にしか解体できないことになります。しかし、線点図の解体のしかたとしてこの方法は効率がよくありません。別の方法を使うと5つの8水準線点図を10個の4水準に解体することができます。

8水準線点図に表現されている4つの直線(要素)は、それぞれが4水準に解体できますが、4水準に解体できる要素はこれだけではありません。4水準に解体できるすべての要素を表現した8水準線点図を次に示します。

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この線点図では、7つの列番号による原因子とその排他的論理和の交互作用因子のすべての組み合わせが表現されています。これまでの線点図ではそれが4つでしたが、この線点図では7つになっています。新たに増えたのは列番号2,7,5、4,7,3、3,6,5の3つです。このことで1つの8水準線点図を1つの4水準線点図に解体するしかたが4通りから7通りに増えます。

ここまでは1つの8水準線点図のみに着目してきましたが、効率のよい線点図の解体では異なる線点図にまたがって解体を行ないます。例えばL64直交表で8水準9個の線点図を8水準4個、4水準10個、2水準5個に解体するには次のように行ないます。

9個の8水準線点図のうち、4個はそのまま8水準として使用します。残った5個の8水準線点図の列番号をいったんバラバラに解体し、その列番号の集まりから2つの原因子とその排他的論理和となる交互作用因子の列番号の組み合わせ10個を抽出します。列番号の組み合わせ抽出のしかたは「直交表の多水準化 2水準の直交表を4水準・8水準・16水準に変形する」で説明した方法と基本的に同じです。

この方法で作成した8水準4個、4水準10個、2水準5個の列番号の組み合わせを次に示します。

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4水準を構成する3つの列番号はそれぞれ2つの原因子とその排他的論理和となる交互作用因子です。このうち、例えば21,38,51は3つの8水準線点図にまたがっています。同様に22,42,60も3つの8水準線点図にまたがっています。そしてこれは8水準線点図の右下と左上を結ぶ直線が、異なる8水準線点図にまたがった形になっています。この異なる線点図にまたがる解体を行なうことで、1つの線点図に閉じた解体よりもかなり多くの多水準に解体することができるようになります。

この方法で4水準に解体した列番号を8水準線点図上に表した図を次に示します。○で囲まれた列番号が4水準に解体した列番号です。


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この方法は16水準線点図にも適用することができますが、8水準に解体する際に選択する列番号が最適でないと4水準に解体できる数が少なくなります。16水準線点図の解体は8水準線点図の解体よりも難易度が高いです。


※ 線点図の画像はJaSST 2005での富士ゼロックス 秋山浩一氏の発表資料から引用しています。


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